Comment 10 絶滅危惧種

絶滅危惧種

『あるひと』が『あるもの』を『ある国』から仕入れている。質のいいもの、である。彼はいう、『ぼくはこの国からもっとも高い値段でそれを仕入れている』、その彼は胸を張っている。職人の家系らしく、仕入れにその気質がいかされているようだ。いい仕事をする職人はちょっとでも値切られたり、あおられたりすると、突然嫌な気持ちになり、ものづくりに影響が出るそうだ。それを熟知している彼ならではの仕入れの仕方である。

他方、食材を仕入れる家系に生まれた同輩もいる。相当仕入れには自信があるようだ。つまり、タタキに叩く。全く違うスタイルだ。

わたしはどうか。値切られると、いいサービスをしようという気が南極あたりに飛んでしまう。きちんと礼儀正しくしていただくと、より良いサービスをしようとムキになる。つまり前者寄りなのは明白だ。

中近東のバザーや東南アジアの市場では『値切る』のが礼儀だ。同様にそういうジャンルは我が国にもあるだろう。市場価格に会わないと勝手に思い込み、それをベースに仕入れ値を決める方法ももちろんあると思う。

但し、確固たる自信、ぶれないコンセプトをもち、顧客の満足度をみたすのが値段ではないとする同輩は多々いる、と思う。しかし、確実に減ってきている、という気もする。

絶滅を危惧しつつ、子孫繁栄につとめる気持ちでこれを書いている...次第である。